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  • shseuh

【きになる みになるSDGs】植物から革を作って、環境にも動物にも人にも優しく

こんにちは!

SDGsにつながる行動のヒントを発信する「きになるみになるSDGs!プロジェクト」の一原です。


皆さん、合皮と聞いて、思い浮かべるイメージはどんなものでしょうか?

合皮=フェイクレザー。

本革よりも扱いやすいけど、質が悪くてすぐにボロボロになってしまう…。そんなことを思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。


私も、そんなイメージを抱いていました。どうせ本革には勝てないでしょ、と。


しかし、動物にも人間にも環境にも優しい「革」があるそうなんです。


というわけで今回は、最近注目を集めている「ヴィーガンレザー」について調べてみることにしました。



目次

1.ヴィーガンレザーとは?本革との違い

2.「新」ヴィーガンレザーを使うメリット・デメリット

3.「新」ヴィーガンレザーの事例

4.まとめ



1. ヴィーガンレザーとは?本革との違い


 ヴィーガンレザーとは、動物の皮を使用せずに、環境に配慮した素材で皮の質感や見た目を再現した素材です。


 本革は、動物の皮を使用します。

多くは食用肉として切り取られた動物の皮を使用するので、動物からいただいた命を無駄にしないという意味では、「廃棄物削減」につながる素材と言えるかもしれません。


 しかし、動物愛護の考えから、本革製品を使用しないという人もいます。

 そのような人たちが、代替レザーとして使用するのが、ヴィーガンレザーというわけです。


一口にヴィーガンレザーと言っても、主原料の違いによって様々な種類があります。


 大きく分けると2つ。

1つは、ポリウレタン樹脂や塩化ビニル樹脂などの石油由来のもの。

もう1つは、植物性樹脂で、植物由来のものです。


環境に配慮された素材であるという観点から、近年特に注目を浴びているのが、植物由来の「新」ヴィーガンレザーです。


具体的には、リンゴやサボテンで作られたものなど。

リンゴでレザー!?びっくりですよね。


石油由来のものは安価で手に入れられますが、枯渇資源である石油を使用することから、本当に環境に配慮できているかと言われれば、そうではありません。


そのため、植物由来のヴィーガンレザーがトレンドになりつつあるのです。



それぞれの特徴をまとめてみました。




図:レザーの種類と特徴

参考HP:https://www.trans.co.jp/column/sdgs/veganleather/ (参考HPをもとに筆者作成)




2.「新」ヴィーガンレザーを使うメリット・デメリット


環境に優しい植物由来のヴィーガンレザーは、いいことばかり!ではないんです…。

そんな新ヴィーガンレザーのメリット・デメリットをご紹介します。


 【メリット】

・動物の命を尊重できる

・限りある石油資源の消費を抑えられる

・撥水性が高く、合成皮革でよく起こる加水分解が起こりにくい

・有害な化学物質を利用していないため、人にも優しい


【デメリット】

・本革ほどではないが、比較的高価である

・本革よりも劣化が早い可能性がある(2~6年)


先ほど述べたメリットのほか、撥水性が高いことや有害な化学物質が使われていないこともヴィーガンレザーの良い点でもあります。


植物がもともと持つ撥水性で、水に強く、合成皮革によくある「加水分解」起こりづらい特徴があります。

加水分解とは、合成皮革に含まれる成分に水分がつくことで、皮表面がボロボロになったり、ひび割れたりすることです。


少し濡れてしまってもさっと拭くだけで済むので、メンテナンスがしやすいです。


また、動物由来の皮革は、なめす工程で化学薬品を使いますが、その物質は化学反応が起こると毒性の高い物質に変化することになり、人体に影響を及ぼします。


ヴィーガンレザーは、この化学薬品を使用しないため、人にも優しい素材なのです。



しかし、デメリットとしては、手が届きにくい値段であること、劣化しやすいことが挙げられます。


本革ほど値段は高くないですが、財布であれば2万円は超えてしまうものが多いので、気軽に手に入れられるというわけではありません。


また、本革に比べると2~6年と劣化しやすいです。


ただ、新ヴィーガンレザーはまだ発展途上にあるので、これからもっと劣化しにくいものに進化していくことも期待できます。



3.「新」ヴィーガンレザーの事例


 植物由来のヴィーガンレザーには、様々な種類が存在します。

こんなものからレザーが!?というものがたくさん。


今回は、それぞれのレザーを簡単にご紹介します。


〇リンゴのレザー

イタリアにある、Mabelという会社。

ジュースを作る際に廃棄されている皮や芯を活用しているそうです。

「LOVST TOKYO」(https://lovst-tokyo.com/ )では、この「Apple skin」を用いて、様々な製品を売っています。


〇サボテンのレザー

2人の男性が手を組み始まった、ADRIANO DI MARTIという会社。

メキシコで自生しているサボテンを用いて、サボテンの葉の粉末を加工して生産されます。

リンク先の動画は、サボテンレザーであるDessertoができるまでのストーリーが映されているので、ぜひご覧ください。


〇きのこのレザー

MYLO社のキノコレザー。

キノコの菌糸体を培養し、複雑に絡み合うことで革のような繊維を作り上げます。数週間で菌糸体が成長するそうで、本革に比べて圧倒的に生産効率が良いのが特徴。


〇パイナップルのレザー

ANANAS ANAMという会社のPinatexというパイナップルレザー。

パイナップルの葉の繊維を活用して作っているそうです。

パイナップル農家が廃棄していた葉を、生地のために買い取ることで、良い循環が生まれているそうです。



4.まとめ


 以上のように、植物由来の素材を原料として、様々なヴィーガンレザーが研究開発・製品化が進められています。


気になったレザーはありましたか?

 

触り心地や柔らかさなど、原料の違いで変わってくるそうなので、使い分けるのも楽しいでしょう。

今後、どんどん製品化が進められて、もっと私たちの手の届きやすいものになってくれるといいなと思います。


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